働きながら資格を取るということ
社会保険労務士の資格を含め、働きながら年に1度しか試験のない国家資格の取得を目指すことは人生におけるひとつのチャレンジです。
それにもかかわらず、平均800時間程度と言われる時間と、受験の費用も含めると独学だとしてもトータルで10万円以上の費用がかかる社会保険労務士の試験は働く社会人に大変人気のある資格です。
実際、毎年の合格者に占める割合も6割以上が会社員、公務員等の「働きながら」の受験者です。
社会保険労務士試験のある特徴
このように合格者の多くが社会人を占める社会保険労務士試験ですが、それには理由があります。
例えば
- 社会保険労務士試験の試験科目は労働・社会保障などに関するものであるため、社会経験があった方が理解し易い
- 1日の筆記試験で試験が完結するため、受験のためのスケジュール調整がし易い
などと言った点もあげられますが、最も重要な点は
「社会保険労務士試験がほぼ知識力のみを問う試験だから」
です。
資格試験の問題は、大きく知識型と思考・計算型に分かれます。
知識型の問題においては問題の内容を「知っているかどうか」のみが問われ、思考力・論述力などは一切問われるとことはありません。
解答形式は文章の穴埋めや、選択肢から正答や誤答を選ぶ形が多くなります。
対して、思考・計算型は与えられた条件を基に、記述・論述形式で解答するものや、計算課程を示しながら解答するタイプです。
社会保険労務に近い難易度の資格試験では知識型と思考・計算型の問題が併用されていることが多く、例えば
- 行政書士試験→選択・択一式の「知識型」と記述式の「思考・計算型」の併用
- 中小企業診断士→1次試験はほぼ選択式の「知識型」(一部に計算問題あり)で2次試験はほぼ記述と計算の「思考・計算型」
- ファイナンシャルプランナー1級→1次試験の午前部は選択式の「知識型」、午後の部は計算課程を示し解答する「思考・計算型」
- 簿記1級→一部「知識型」の問題もあるが、大部分は計算が必要な「思考・計算型」
といったかんじです。
そしてそんな中で、社会保険労務士試験は珍しい純粋に「知識型」の試験で解答形式も全てマークシート方式です。
なぜ知識型の社会保険労務士試験が働く社会人に向いているのか
それでは、ここからが本題です。
なぜ「知識型」の試験が働く社会人に向いているのでしょうか。
それは「知識型」の試験の勉強方法と、「思考・計算型」の勉強方法が大きく異なるからです。
知識型の試験の勉強は、究極的には「暗記」です。
もちろん条文や法律の理解をした上で覚えることは効率の面でも重要ですが、最終的なゴールは知識を暗記することです。
この場合の勉強法は基本的には「繰り返し」です。
見ては忘れ、聞いては忘れ、また、見ては忘れ、聞いては忘れを繰り返すことでしか、試験合格に必要な膨大な知識を覚えることはできません。
しかし、これは言い換えれば、長時間の連続した勉強よりは、集中した短時間の勉強を何度も繰り返すことが有効であるとも言えます。
これに対し、思考・計算型の勉強はある程度まとまった時間を取って、机の前に座って記述や計算の問題を実際に手を動かして解答を書く訓練をすることがどうしても中心にならざるを得ません。
働く社会人が資格を目指すにあたり、一番問題となるのはやはり
「まとまった時間の確保」
ではないでしょうか。
むしろ移動時間などのスキマ時間をいかに有効活用するかが合否を分けるといっても過言ではないでしょう。
そして、純粋な知識型である社会保険労務士試験はまさにこのスキマ時間の勉強で相当部分がカバーできるのです。
通信講座とスキマ時間勉強は相性抜群
そして、このスキマ時間勉強の効率を最大限に高めてくれるのが、受験予備校の通信講座です。
特にインターネット普及以降に始まったWEB通信での講義受講は、今やスマホやタブレットの登場で、まさにいつでもどこでも、またひとつの講義を何度にもでも分けて受講できるスキマ時間学習のためにあるようなスタイルです。
また、独学ではどうしても迷ってしまう教材選びや、ルーズになりがち学習の進捗管理も通信講座を利用すれば全てお任せで、本来すべき勉強に集中することがですます。
働く社会人ならでは悩みは、受験予備校の通信講座を利用することで相当部分が解決可能だと思います。
「社会保険労務士試験」の「通信講座」が働く社会人に向いている理由まとめ
社会保険労務士試験自体が、まとまった時間の取りにくい働く社会人に向いている加え、特に通信講座が提供しているネットの活用でスキマ時間学習の効率は非常に高まります。
貴重な時間を投資してのチャレンジです。
願わくば働く社会人に相性抜群な効率な勉強スタイルで短期合格を目指したいものですね。