過去問がなぜ重要か
資格試験を勉強するにあたって、過去問へどう取り組むかは極めて重要な問題です。
なぜならば、資格試験においては「過去問が解ける」状態こそが試験前におけるゴールとなるからです。
ゴールを知らなければ、そこへ至る道順=勉強法も決めようがありません。
社会保険労務士試験の場合、過去10年間の過去問題は解ける状態が望ましいと言えます。
なお、あまりに古い過去問は法改正などの問題で間違った知識を得てしまう可能性があるので、注意が必要です。
過去問への具体的な取り組み方
それでは、あなたがこれから社会保険労務士試験の勉強をこれから開始するという状態の場合、過去問には「いつ」そして「どのように」取り組めば良いのでしょうか。
僕のおすすめの方法はずばり
「まずは最新年度の過去問をいきなり全て解いてみる」
という方法です。
「いきなり解いてみる」とは文字通りいきなりですので、テキストなども全く読まない状態で解いて頂いて結構です。
幸い社会保険労務士試験は全てマークシート方式なので、答えが全く分からなくても勘でもいいのでどれかを選んで下さい(笑)
そして、その後に採点を行います。
そこであなたは以下の事実に気づくはずです。
「0点ではない・・・!」
(0点だったら逆に奇跡です・・・笑)
まあ、それは冗談としても採点を行った後には正答とともにそれがなぜ正答なのか、各選択肢がなぜ間違っているのかの解説を意味が意味分からなくても必ず読んで下さい。(逆に言うとそのような解説がしっかりついた過去問集などを使用して下さい。)
多分これはほとんど1日ががりの作業になりますので、時間がない場合には何日かに分けて行っても問題ありません。
しかも、ほとんどの方に取っては意味不明の文章を読み続ける作業になるので、結構苦痛だと思います。
しかし、この作業が終わった後には以下のようなことが分かります。
- 具体的な試験の方式やボリューム感が身をもって分かる
- 解説を読めば理解できる科目、解説を読んでも全く意味不明の科目などが分かる
これによってまがりなりにもクリアすべきゴールを具体的に体感することができ、また、現段階での科目ごとの得手・不得手のイメージもなんとなくでもつかめると思います。
これはその後の勉強法の作戦立案に大きく役立ってきます。
最新の過去問を解いた後の勉強法
最新年度の過去問を解いた感触を基に勉強法の作戦を立てます。
例えば
- 健康保険法は解説を読めばけっこう理解できる
→他の年度の過去問も解いてみて、分からない部分についてはテキストを読み込む
- 労働基準法と雇用保険法は解説文のところどころにピンとこないところがある
→テキストをまずは一通り読んでから、過去問に戻る
- 国民年金法と厚生年金保険法の解説が日本語とは思えない(笑)
→まずはなるべく平易な言葉で概要を説明した薄いテキストを読んでみる
といったかんじです。
基本的には難しいと感じる科目はまずはテキストの理解から入り、とっつき易そうな科目はいきなり実戦形式の過去問を解き始めるという作戦です。
一般的には
- 全ての科目のテキストを読む
- テキストの進行に併せて全ての科目の問題集を解く
- その後に過去問を解く
という流れになりがちですが、この方法だと試験が近づいた段階で初めて過去問を解くことになるので、最悪
「えっ・・・こんなに難しいの!」
というパターンで心が折れることもありますし(笑)、また、すでにある程度知識がある科目や分野の勉強に時間をかけすぎてしまう傾向があります。
よって「いきなり過去問」をおすすめする次第です。
過去問対策だけでは解けない問題もあります。
ちなみに法改正や白書対策だけは過去問中心の勉強法ではいかんともしがたいので、別途作戦が必要です。
もし完全に独学で受験する場合でも、法改正や白書などはある程度出題の傾向を予測した上で勉強をしないと問題数のわりには膨大な勉強時間が必要になってしまいますので、この部分だけは受験予備校の講座などを利用するのが賢い選択だと思います。