過去10年の社会保険労務士の合格率
直近10年間の社会保険労務士の受験者数と合格率の推移は以下の通りです。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
平成27年 | 40712名 | 1051名 | 2.6% |
平成28年 | 39972名 | 1770名 | 4.4% |
平成29年 | 38685名 | 2613名 | 6.8% |
平成30年 | 38427名 | 2413名 | 6.3% |
令和元年 | 38428名 | 2525名 | 6.6% |
令和2年 | 34845名 | 2237名 | 6.4% |
令和3年 | 37306名 | 2937名 | 7.9% |
令和4年 | 40633名 | 2134名 | 5.3% |
令和5年 | 42741名 | 2720名 | 6.4% |
令和6年 | 43174名 | 2974名 | 6.9% |
社会保険労務士試験の合格基準点、相対的な評価方式に基づき採点され、毎年の試験の難度に応じて、合格ラインが変動します。
これはすなわち、採点側の裁量で合格率が決まるということです。
社会保険労務士試験が国家資格の中で、比較的「運」の要素か強いといわれる由縁のひとつです。
それでは、社会保険労務士試験の難易度は?
例年10人に1人しか受からない社会保険労務士試験は簡単な試験ではありませんが、難易度を考える上でその他にも以下のような点を考える必要があります。
- 受験資格
- 試験科目
- 試験方式
- 試験日程
受験資格
実は社会保険労務士試験は誰でも受けることができる資格ではありません。
まず、学歴の要件では短大卒、もしくは2年以上の専門学校卒とされています。
これを満たさない場合には実務経験や他の国家資格を持っていることで受験資格をクリアすることができます。
一般的に実務経験がなく最終学歴が高校卒の場合は、行政書士の資格を取得することで受験資格を得ることが多いようです。
しかし、行政書士試験も決して簡単な試験ではありませんので、学歴・実務の要件を満たしていない場合にはそれだけで難易度が高いと言えます。
試験科目
社会保険労務士試験の試験科目は以下の通りです。
- 労働者災害補償保険法
- 労働基準法および労働安全衛生法
- 雇用保険法
- 労働一般および社会一般
- 健康保険法
- 厚生年金保険法
- 国民年金法
したがって、これらの法律に関する知識がある方、例えば会社の人事部や総務部にお勤めの方、もしくは健康保険組合などにお勤めの方には有利な試験と言えるかもしれません。
ただし、試験に受かるための知識と実務のための知識は別ものですので、実務経験があれば勉強を始める段階での「とっつき易さ」の点で有利な程度と思っておいた方がいいでしょう。
逆に実務経験のある方ほど今ある知識が邪魔して本来覚えるべき部分に集中できないなんて話もよく聞きますので・・・
試験方式
社会保険労務士試験は全てマークシート方式です。
このレベルの国家試験で全てマークシート方式なのは珍しいかもしれません。ちなみに行政書士試験でも一部記述式の問題があります。
マークシート方式の利点は全ての問題で正解が明らかなので、過去問による対策がとても立て易いことです。
記述式の場合、基準となる正答があっても果たして自分の記述が何点取れるのかが分からないことが多く、また、中小企業診断士の試験のように正答が公表されない試験もあります。
その意味でも一定の勉強さえ確保すればいつかは受かることができる試験と言えるかもしれません。
試験日程
試験日程は原則として8月の第4日曜日となっています。
他の国家資格では試験が2日以上あったり、2次試験や面接試験があることも多いので、1日で試験が終わるというのは特に会社勤めの方にはありがたいのではないでしょうか。
社会保険労務士試験の難易度まとめ
このように社会保険労務士試験の難易度は合格率で見ると10人に1人程度しか受からない難しい試験ですが、受験資格さえクリアすれば1日のみの試験で受験回数の制限も無いことから、会社に勤めながらでも比較的チャレンジしやすい試験といえるのではないでしょうか。
ただし、試験内容は思考力というよりは法律の条文や細かい数字の暗記が勝負となりますので、一度過去問をご覧になってご自分の向き不向きを判断してみることをおすすめします。