晴れて合格したら
社会保険労務士試験の合格発表は11月上旬です。
8月の試験から2カ月以上悶々とした日々を過ごし(なにしろ合格ラインが合格発表まで分からない試験なので・・・)、見事合格を勝ち取った瞬間の喜びと安堵感は計り知れません。
さて、しばらくその余韻に浸った後には、
「この資格をどう生かすか」
を考える段階がやってきます。
主に3つのパターンに分かれます
社会保険労務士試験の資格を取る目的はさまざまですが、以下の3つが主なパターンだと思います。
- 独立開業
- 勤務社会保険労務士
- とりあえず資格だけもっておく
1.の 「独立開業」はいいとして、「2.勤務社会保険労務士」と「3.とりあえず資格だけもっておく」の違いが?の方もいるかもしれません。
試験に合格しただけでは社会保険労務士としての仕事はできません
どの国家資格でもそうですが、試験に合格しただけでは社会保険労務士として仕事をすることはできません。
合格後に各都道府県の「社会保険労務士連合会」を通じて「全国社会保険労務士連合会」への登録を済ませて、初めて社会保険労務士として法律で許された業務を行うことができるようになります。
そしてこの登録の際に「開業会員」と「勤務会員」と「その他」の3種類の登録方法があり、「勤務会員」として登録すると、先ほど述べた「勤務社会保険労務士」となるわけです。(※その他登録は開業もしない、企業にも勤めてない場合の登録ですが、実際上の扱いとしては勤務登録と変わりません。)
「勤務会員」で登録する方々は特定の企業に勤めながら社会保険労務士としての仕事をしますし、当然ですが対外的に「社会保険労務士」と名乗ったり、名刺に社労士の肩書を入れることもできます。
この点「とりあえず資格だけを持っておく」場合には「社会保険労務士」と名乗ることはできないため、「社会保険労務士有資格者」という肩書を使う方もいます。
また、登録には入会金と年会費を含め、開業登録の場合で20万円程度かかり(※都道府県により異なります。)、その後も年会費が10万弱かかります。
勤務登録の場合、この費用は半額程度になります。
この登録区分の変更は、社会保険労務士会に入会後にいつでもできますので、会社に勤めながら勤務会員として独立準備をして、開業後に開業区分に変更といったことも可能です。
登録までの費用とスケジュール
なお、全国社会保険労務士連合会への登録を行うためには以下のいずれかの条件を満たす必要があります。
- 労働社会保険諸法令事務について2年以上の実務経験を有する者
- 労働社会保険諸法令関係事務指定講習
したがって人事・総務や労務に関わる仕事の経験が2年以上あれば試験合格後に即登録して開業することもできますが、そうでない場合には
「労働社会保険諸法令関係事務指定講習」
を受講する必要があります。
この講習の概要とスケジュールは以下の通りです。
- 申し込み期間 11月中旬~12月頭
- 通信指導課程 翌年2月~5月(郵送での課題提出による添削指導)
- 面接指導課程 翌年7月~8月(4日間)
つまり、2年以上の実務経験が無い場合にはどんなに早くても試験に合格した翌年の8月までは社会保険労務士としての登録はできないということになります。
また、面接指導課程については、講習費用がかかるのに加えて開催場所が遠い場合には交通費や宿泊費も考えなくてはいけません。
特に開業を考えている場合は要注意です。