本格的な学習に入る前に
社労士試験に挑むにあたって、いつから勉強をスタートするかさまざまですが、多くの通信講座では8カ月~1年程度を標準的な学習期間としています。
平均800~1000時間の学習時間が必要と言われていますから、自分が学習にあてられる時間から逆算してみてください。
たとえば、1日平均3時間の勉強時間であれば1000時間の学習には約11カ月かかります。
理想的には前年の社労士試験が終わった後くらいから、勉強をスタートすれば最新の試験傾向を基にしたテキストや問題集で勉強を開始できるので、おすすめです。
学習をスタートするにあたって、まずやっておくべきことは、社労士試験に必要な知識の全体像の把握です。
いきなり、テキストを頭から読み始めるよりも、ざっくりとでも各科目の基本的な知識や概要、また科目間の関連などをつかんでおくことで、その後の学習の効率は全く違ってきます。
市販の教材の中でも、通信講座でも「入門講座」や「科目別ガイダンス」のようなテキストや講義動画があります。
まずは「覚えよう」としないで気楽な気持ちで取り組んで下さい。
また、それとは別におすすめなのが、最新年度の過去問にいきなりチャレンジしてみることです。
当然全く解けない、というか問題や解答の解説文の意味すら分からない部分がほとんどで、解説文に目を通すだけでも一日ががりの仕事になるかもしれません。
しかし、学習をスタートするあたって、実際の試験そのものを体で感じておくことは最終的なゴールをイメージする上で、非常に大切なことです。
本試験1年前~3カ月前までのスケジュール
入門講座やガイダンスで学習内容のイメージをつかみ、実際の過去問にチャレンジしてみたら、本格的な学習のスタートです。
主にテキストと問題集で学習をすすめていくわけですが、一般的な学習法である
- テキストを読んで内容を覚える
- 問題集で実戦
というやり方にこだわる必要はなく、
- テキストはざっと読む(この時は覚えようとする必要はない)
- 問題集を解いて、解説をしっかりと読む
- 理解できなかった部分のテキストに戻り確認する
という問題集中心の学習の方が効率的です。
基本的にはこれを何回も繰り返すことに、社労士試験の学習の中で一番多くの時間を使います。
また、資格スクールの通信講座の場合、テキストを読む前に講義動画を見ることで、理解と記憶のスピードアップが図れますので、大幅な時間短縮が見込めます。
また、この学習は少なくとも試験の2カ月前までには一通りの科目について終わらせておきたいところです。
本試験2カ月前からのスケジュール
試験の約2カ月前の6月になると、各資格スクールの模擬試験がスタートします。
試験の直前1カ月前の最終模擬試験に対して、「中間試験」のような位置づけで行われることも多いようです。
この模擬試験は結果にこだわるよりも、弱点の最終確認としての位置づけとして、残りの2カ月で重点的に勉強をする部分を洗い出すことの方が重要です。
また、白書対策と法改正対策のための勉強の時間もあらかじめスケジュールに入れておく必要があります。
本試験1カ月前からのスケジュール
試験1カ月前には最終の模擬試験を受けます。
この試験はいわゆる総仕上げの試験ですから、試験当日を意識したシュミレーションのつもりで時間配分などにもこだわって受験します。
試験前1カ月に大切なことは「新しいことに手を出さない」ことです。
特に模擬試験の結果が思わしくなかった場合など、あせって必要以上に細かい論点の確認などに走ってしまがちですが、この時期にやるべきことは、これまで学習した知識をより確実にすることです。
あやふやな知識がいくらあっても試験の点数には結びつきません。確実に正答できる範囲を固めることに専念すべき時期です。
本試験1週間前から本試験当日までのスケジュール
試験1週間前になったら、勉強自体よりも体調管理を優先すべき時期です。
1週間前の日曜日には、試験当日に起きる時間に起きて、本試験でのスケジュール通りに過去問を解いてみるのもいいでしょう。
泣いても笑っても年に1回の一発勝負ですから、当日に100%のパフォーマンスが出せるように生活パターンを調整して本番に挑んでください。
社労士試験の学習スケジュール戦略まとめ
ここでは理想的な社労士試験の学習スケジュールについて書いてきましたが、実際にはこのようなスケジュールを立てたとしても、仕事やプライベートもある以上、理想通りに進むことの方が少ないかもしれません。
しかし、土台となるスケジュールをしっかり立ててイメージしておくことで、突発的な出来事でスケジュールが狂っても修正が容易になりますし、そもそもスケジュールが曖昧では学習の進捗状況もはっきりせず、モチベーションも続きません。
いきあたりばったりでクリアできるような甘い試験ではありませんので、しっかりとスケジュール戦略を立てて学習をスタートして下さいね。