社労士に関連する資格3つの資格
この記事では社会保険労務士と関連性の深い周辺資格を3つご紹介します。
① 行政書士
行政書士とは自治体や各省庁 警察署などの行政機関に届け出の義務がある書類の作成と提出を代行することができる資格。
扱うことができる書類の幅は非常に広く1万種類を超えると言われています。
そして実は社会保険労務士はこの行政書士から枝分かれしてできた資格。
1968年6月に社労士の資格ができる以前とその後の一定期間は、行政書士が現在の社労士の業務も行うことができました。
また特例として1980年8月末時点で行政書士であった方は、社会保険労務士の独占業務の一部を行うことも認められました。
そんな関連性の高い資格であることからも、社労士の受験資格のひとつは行政書士試験の合格となっています。
基本大卒以上が受験資格となる社労士試験に高卒の方がチャレンジする場合にはまず行政書士を取るのが一般的です。
さらには実務面でも社労士が行政書士の資格を持つことは仕事の幅を広げてくれるため、社労士がダブルライセンスので仕事をする場合に最初に候補にあがる資格でもあります。
試験は年1回で11月の第2日曜日、合格までに必要な勉強時間は700時間程度で合格率は例年10%程度です。
なお社労士が本命の場合には行政書士も簡単では無い資格なので、受験資格を得るため以外に軽い気持ちでチャレンジすることはおすすめしません。
ただ数年計画で資格取得を考えているのであれば、行政書士→社労士の順で挑戦するのは悪くない方法です。
② 年金アドバイザー
年金アドバイザーとは銀行業務検定協会が実施する民間資格。
主な主な受験者層は銀行等の金融機関にお勤めの方なので一般的な知名度はありませんが、年金に関わる数少ない資格のひとつです。
2級~4級まであり(※1級はなし)社労士の受験対策として受験するのであれば3級がおすすめ。
なお、すでに社労士に合格しているのあれば最上級の2級でもさほど労力をかけずに合格することが可能です。
また社労士試験の年金分野と比較してより実務に即した出題が多いことが特徴であり、年金分野での仕事をしたいのであれば取得する価値のある資格です。
試験は受験者が多い3級が年2回の3月と10月、2級と4級は年1回の3月です。
各級の合格率はご覧の通りで2級が20%台、3級が30%~40%程度、4級が60%以上です。
合格に必要時間の目安は3級であれば30時間~60時間程度となります。
社労士試験の中でも年金分野は最も難易度高い部分なので、年金制度の全体像を掴むためにチャレンジするのもありだと思いますよ。
③ FP
FPとはファイナンシャルプランナーの略で、資格としての正式名称は「FP技能士」。
厚生労働省の指定を受けた試験実施機関が行う国家検定です。
1級~3級までありますが仕事に役立つのは2級以上となります。
出題内容の一部ですが社会保険と年金に関わる内容があり、またそれ以外の出題内容もお金に関する幅広い知識がバランスよく学べる資格です。
FPを取ることで社労士受験が有利なるという点はあまり期待できないものの、社労士合格後に実際に資格を活かして仕事をしていく上で、社労士の専門分野である労働・社会保険や年金以外の周辺知識も理解することは重要。
いわゆる「専門バカ」の状態に陥らないために役立つ資格です。
2級の場合、試験は年3回で5月・9月・翌年1月。
合格率は学科が4割から5割程度、実技が5割から7割程度と結構幅があります。(※日本FP協会の場合)。
合格に必要な勉強時間は150時間~300時間程度で、仮に200時間とした場合1日2時間の勉強で3カ月半ほどかかる計算です。
まとめ
今回ご紹介した3つの資格は、社労士試験に挑戦する前に取得すれば社労士試験の勉強がより楽に進められます。
また、社労士合格後に取得したとしても実務に有益な関連性の高い資格です。
社労士に興味がある方はぜひチェックしてみてくださいね。